似ているからこそ、相容れない。
握り拳をイヴの腹へ向けるミチル。だがあっさりと避けられ前のめりになる体の前。

正確に言うと、少し血生臭いイヴの右手の先が、ミチルの眼球をえぐろうと目の前に迫ってきていた。



「うわっつ?!」


思わずイナバウアーをして避けるも、ミチルはつい先程床を蹴って飛び上がったため、今は空中……。



「っ………アイッデー!」


「あははっ、君ってばすっごく間抜け~。そんなんでボクに勝てると思ってるのぉ?」



ミチルとは正反対に、見事に着地したイヴは無邪気にけたけたとミチルを笑う。


だがミチルは軽くジャンプをして立ち上がると、首をならしてイヴに目を向けた。



「あひゃひゃ、アタシがそんな柔な女に見えちゃいまっかー?ごジョーダンを。アタシを誰だと思ってんのさ」


「……あはっ、そうこなくっちゃ♪」



けたけたにやにや……両者笑い合うなか、先に動いたのはミチルだった。

< 8 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop