strawberry tea



**蓮side**




やっと冬嘉は気付いた様だった。




そう、あの時。

体育館でベストカップルの発表をした時。



俺はそんな行事知らなくて、何だこれって呆れてた。



舞台に立つ俺ら。

困惑する冬嘉が何だか変で、冬嘉に笑いかけた。


実行委員とかもニコニコしてて…。




そして、ふと見たんだ。



最前列にいる、アイツ。




じっと俺の事を見ていたんだ。


悔しそうな目で。





だから……
冬嘉にキスした。

アイツに見せ付けるように。



でも、それ以外の理由でもあるんだけど。





それは…



冬嘉がとてつもなく綺麗だったから。




メイクをし直して、し直す前も相当綺麗だったけど、更に綺麗になった。


だから、冬嘉が俺の所へ…1Eのホストクラブへ…来た時、俺は言葉が出なかった。


お世辞なんかじゃ無い。



心から、そう思った。





気付いてたんだ、冬嘉が嫉妬してた事。



他の女に優しくして、綺麗だね、とか声をかけていた。

それはホスト役だから、言わなくちゃならない。


けど、本当は言いたく無かった。


冬嘉に言いたかった。




けど、とても綺麗だったから言葉が出なかった、というのもある。




それと…



もっと嫉妬して欲しかったんだ。



他の女と俺が話している時、眉間に皺をよせて、暗い顔する。


嫉妬、してくれてるのか?




自惚れかもしれない、
期待しすぎてるかもしれない。




それでも、嬉しかった。





だから、もっと嫉妬して欲しくて。




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