Chain~この想いは誰かに繋がっている~
22:00の地下鉄の電車の中。

席がちらほらと空いているこの状況の中で、電車に揺られながら立っている俺。

その目の前で、席に座りながら、眠っている彼女。


おそらく疲れているんだろう。

それはわかっている。

問題は、彼女が降りる駅が、間もなくやってくることだ。


俺の名前は下林一護(シモバヤシ イチゴ)。

会社で残業して、地下鉄で帰るところ。


そこへぐらっと、大きく揺れる電車。

それに合わせて、前に大きく倒れる彼女。

チャンスだ。

彼女の肩を、ポンポンと叩く。

目を開ける彼女。

タイミング良く、駅に到着。


「ここ、あなたの降りる駅ですよ。」

「えっ!!」

彼女はホームにある、駅名が書かれた掲示板を見た。

「あっ!!」

荷物を抱えるようにして持ち、電車を走るように降りて行く彼女。

『あ~よかった~』という顔をして、全くこちらを見ない。
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