想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
その後の、他の2人の自己紹介はまったく耳に入ってこなかった。



「じゃ、木村さんから一言いい?」


北川サンの声にハッとする。

「あ……ハイ。木村星来です。まったくの未経験ですが、……よろしくお願いします。」


「「お願いしま〜す。」」


「じゃあ、みんな仕事にかかって〜。木村さんはしばらく木下君に付いて、色々教わってね。」



え!?


「そういう事だから。よろしく!」


木下サンがあたしに向けて、右手を差し出した。


う、うそ。

握手するの?


「お願いします。」

う〜。手が震える。


木下サンの手は大きくて、あったかい。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ〜!」


そう言って木下サンが、あたしの頭をポンッて……!


や、やばい…!

余計緊張するって!


木下サンの優しい笑顔。




頑張ろ。


仕事も…




恋も………!




こうしてあたしは木下サンに出逢った。







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