想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「き、木村!?」


やっと口が動いた。


でも、やっぱり呆然としてしまう。


あいつも、驚いてるみたいだ。


あいつが説明してくれた。


動揺しながらも……。


同じ会社なんだと。


彼女は嬉しそうだ。



こんな偶然あんのか?


あいつが、俺の彼女の……


妹……?


「海?……どうたの?」


彼女の声で、ハッと我に返る。


「え?……あ、いや。びっくりして……。そうだよな、考えて見れば、同じ苗字……。」


木村なんてありきたりな苗字、気に留めた事なんて無かったんだ。


「星来なんて、彼がウェディングプランナーって事も言ったのに、気付かなかったのぉ!?」


彼女の言葉にあいつは……

「や、名前まで聞いて無かったし……まさかね。」


俺は、見逃さなかった。


そう言いながら、目を反らしたあいつを……


お前は……


知っていたんだな……。







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