想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
会社のみんなが言うには、


神崎様達は、普通よりよっぽど来店率が高いって。


中には式場が決まったら、一度も来店されないお客様も居るとか。


担当する者としては、


やっぱりたくさん来店してくださった方が嬉しい、よね。








「では、当日良いお天気になる様、祈ってますね。

楽しみにしています。」


あたし達は、打ち合わせ内容としては、軽く最終確認をしただけで、 


長々世間話をして終えた。


「木村さん……木村さんも、良い恋してね。」


最後にそう言い残した志保様の言葉に……


少しだけ、グラッっとした。


良い恋かぁ……。


いつか


できるよね……?


あたしはもう


確実に……


前に進み始めているんだから、ね。





< 228 / 320 >

この作品をシェア

pagetop