想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
涙が止まらない……。


「うん……。良かった。
頑張ってね、お姉ちゃん……。」


あたしは、お姉ちゃんに、今出来る限りの笑顔を向けて、自分の部屋へと戻った。





1人になってもやっぱり止まらない涙。


木下サンが、お姉ちゃんを好きになってくれたらどんなに楽か……。

そうすればあたしは、今よりもっと気持ちが楽になるはず……。


とにかく今は……

この止まらない想いを閉じ込めなきゃいけない。


本当は、想われたいよ……。


木下サンに、想われたい……。


けど……


あたしの想いは……


閉じ込めるんだ。


あたしだけの


心の


引き出しの中へ……











< 49 / 320 >

この作品をシェア

pagetop