想われたくて…‐姉と私とあの人と‐
「お疲れーッス!お!ここに居たのか!木村ちゃん!」


「あ、木下サン!
ありがとうございました。」

突然木下サンが事務所に来た……。


ビックリした〜。


「いいえ!良かったなぁ。
お客様、気に行った入ってくれたみたいで。」


「ハイ!!」


この店に来ても、納得されず、一度きりの来店になってしまうお客様も、少なくはない。


それを思うとすごく嬉しい。


初めての担当で、気に入って頂け無かったら、あたしは、かなりショック受けたと思う……。


「木下サンのご指導のお陰ですよ!」


ホントに、そう思う……。

「お前、調子いいなぁ〜!!」


そう言って、あたしの頭をコツンってやる木下サン。


――ズキンッ


やめて……


苦しいよ……


そんな事されても……

あたしはもう……


素直に喜べ無いんだから……


でも……


「そぉんな事、無いですよぉ!
ホント、感謝してますって!」


あたしは、極上の笑顔でそう言った。


どんなに苦しくても……


頑張らなきゃ……


ね。






< 62 / 320 >

この作品をシェア

pagetop