ヴァンパイアストーリー
第一章

日本に行く理由

ここは異世界。

私の名前は『アスカ・ミリアム』。

この異世界の王は私の父親だ。

「アスカ」

「なんですか?お父様」

「お前も、もう17だ。どうだ?婚約のことを考えてみるのは」

「婚約・・・ですか」

17歳で結婚なんてことはこっちの世界では当たり前のことだ。

私の周りの人も10代で結婚している人が9割を占める。

「それは、この世界ではなく・・・ということですか?」

「そうだ」

その理由は・・・。

「向こうの世界の人間は絶妙な血を持っているやつが多い。そやつとの子供を作れば血の濃いヴァンパイアが生まれるはずだ。その子供をお前の跡取りにできる」

ということらしい・・・。

私はもう結婚とかどうでもいいから誰でもいいけどね。

「わかりました。明後日には日本に行くようにします」

「そうするといい。残り一日したいことをするといい」

「はい」

したいことなんてないけどね。
< 1 / 23 >

この作品をシェア

pagetop