たまごのような恋 殻を割ったそのとき
たまごのような恋4
 夏休みになった。あらゆる場所でバーゲンなので、大勢の人々で賑やかになっていた。暑い日が続いて、クーラーや扇風機などが活躍するとき。私は家で夏休みの宿題をやっていた。あと少しで終わりなので、一気にやりきってしまう。お兄ちゃんと支樹はまだ学校があって、夏休みではないらしいが、大学は高校と違って、夏休みが長いのでうらやましい。夏休みは友達と一緒に買い物に行く約束をしている。といっても、きちんと日程を決めたわけではない。

「よし、できた」

 ほっと息を吐いていると、横から支樹が宿題を見て、口を出してきた。

「嘘をつくな。いくつか空欄が残っているぞ」

 いつものように支樹が家に遊びに来ている。
 支樹、テストがもうすぐあるのでは?

「だって、わからないから」
「教えてやろうか?」
「本当?」
「ただでとはいわない」

 嫌な予感がするのは私の気のせいであっていてほしい。

「俺とどこかに行かない?」
「遊びに?」
「そう」

 突然のことで驚いたけれど、一緒に行くことにした。
 よかった。もっと嫌な要求をしてくるのだと思っていた。
 この会話のあと、私は支樹に宿題をみてもらって、無事に終わった。
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