あいのうた
「っ…」
病院を目指し街を駆け抜けながら、思い出すのはこれまでの日々。
『虎太郎、この子がうちのナツ』
『…夏菜、です』
『……』
元々子供に縁なんてなかったし相手をすることもなく、友達に子供が生まれても他人事でしかなくて…そんな自分が父親になるなんて自覚は正直あまりなかった。
それでも詩が好きだったから、なってやるって意地もあった。
『詩、俺と結婚してくれ』
『うん、いいよ』
『え!?マジでか!?』
『ただし』
『?』
『ナツがOKしたら、ね』