あいのうた
「…バカ」
「……」
「心配させやがって」
「…ごめん、なさい…」
「本当だよ。一晩帰ってこねーし、車に轢かれたとか…俺がどれだけ心配したか、わかってんのかよ」
一晩中、時計の針を見ていた。
外からサイレンが聞こえる度不安になって、カーテンの隙間からマンションの入り口を見て、早く帰ってこいって一晩中思っていた。
「今度は俺を一人にさせる気かよ…」
詩が死んで、それでも
「お前と二人だから生きてこれたのにっ…」
隣にいつも、その小さな姿があったから。