あいのうた



「……」

「……」



ほんの少しの無言。

そんな空気を気にもとめず、ボードに丁寧に文字を書いていく。



(おすすめ、フォンデュバーグセット…と)

強調したい字は太く大きく…さりげなく紹介文も入れて、



「……」



そう黙々と書いていると、不意に目の前にコン…と置かれるカップ。



「?」



湯気と甘い香りのたつ、ホットココア。

それはカウンターの中にいる大地から差し出されたものらしく、夢中になって書いているうちに大地が入れてくれたらしい。


< 242 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop