あいのうた
「…詩、久しぶり」
そっと撫でたその石は、ひんやりと冷たさが伝う。
「あんまり来てやれなくて悪いな。…今日は、ナツと来たんだ」
彼女の骨が埋まってるここに来ると、不思議と詩と会話が出来る気がするんだ。
まるで、あの頃と同じように。
「あっと言う間にでかくなっちまって…本当、びっくりするだろ。この前なんて合コン行ったとか言い出して大騒ぎでさ」
何てことない話をしながら、思い浮かぶのは
『また虎太郎のことだから、ナツにうるさく言ったんでしょ』
からかうように笑いながら言う、詩の姿。