向かいの窓の小さな彼。
峡は母親と二人暮らし。
父親は峡が生まれてすぐに
別の女の人の所へ行ってしまった。



そんな峡を、私のお父さんは凄く可愛がっていた。
自分の息子のように。
峡もお父さんの事はすごく大好きだった


…と思う。



今となっては、それさえも本当か分からない。

峡が全く、私の家族と関わらなくなったからだ。




中学2年生の夏から、峡の家の窓は
カーテンも開かなくなった。
呼び出しても来なくなった。

心配して私のお父さんとお母さんが家を訪ねても
誰も出てこない。


もちろん、峡のお母さんとも連絡がつかなかった。



それから私も
自然と峡に連絡をしなくなった。


何度も何度も送ったけど
返事は一切なかったから。





ただ唯一
峡が無事であると確認出来たのは
たまに一緒になる学校へ行く時間。


峡はちゃんと学校へは行っていた。


もちろん、学校では話しかけても無視。
むしろ峡は、クラスが違った私を
会わないように上手く避けていた。



私は完全に
峡に嫌われたと思った。





そしてそのまま


私達は高校生になる。




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