少年探偵 キト
今回のご依頼


入ってきたのはとても
貧相な男だった。
スーツを着ているが、ひどく
くたびれている。

「は、はじめまして」


男は自信なさげに頭を下げた。


俺とキトは顔を見合わせた。

この人、どうやら
訳がありそうだ。


「まあ、そんなところでも
アレですんで、こちらへ
おすわり下さい」

俺がそう案内すると、
男は、じゃなくて、
倉ヶ市さんは
ソファーに座った。


「で、今日はどんなご依頼で
こられました?」


キトがそういったのを聞いて
俺は立ち上がった。
このお客さんのコーヒーを
入れにいくためだ。



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