【完】結婚からはじまる恋《1》
俺はコーヒーをまず飲んで、吐息入れる。



そして、フォークでふんわりとしたオムレツを切り取った。




固まりきれていない卵液はとろりと溢れる。



俺はオムレツを一口、口に入れた。




半熟の卵が口の中でとろけ、絶妙な甘さと柔らかさがじわじわと広がる。




「どうですか?もう少しキチンと焼いた方が良かったですか?」



「いや…俺…半熟好きなんだ」



彼女は知らないはずなのに…


俺の味覚を熟知してるような絶妙なバランスのオムレツ。



「私も半熟が好きなんです…」



深幸も嬉しそうに半熟のオムレツを口に運んだ。



< 141 / 274 >

この作品をシェア

pagetop