【完】結婚からはじまる恋《1》
テイスティングを済ませ、まずはワインで乾杯した。



母さんの形見だったロザリオを16年振りに見て、手にし…。



深幸があの時の少女だと知り、少しだけ興味が湧いた。



全身で俺に好意を示す彼女。


「美味しいです。このワイン…とっても飲みやすいです」



「…」


深幸ははにかみながらも、今この時を精一杯楽しむように振舞い、俺に話しかける。



「…でも…透かし腹に一気に飲み干すのは良くない…酔うぞ」



「はい…すいません」





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