ペテン死のオーケストラ
マルメロだけの森プチ・ガーデン。

初めての来客は、マルメロが絶対に招待しなかったであろう母親となります。

「先の事は、分からないものね」

マルメロを乗せた馬車は、水を弾きながら走ります。

マルメロのプチ・ガーデンへ。

マルメロは、母親の日記を読むのに相応しい場所だと考えています。

誰にも邪魔されず、静かで落ち着き、素直な自分に戻れる場所。

そこで日記を読み、一体何を思うのか。

マルメロは自分の素直な気持ちを確かめるためにプチ・ガーデンに向かうのです。

期限は、あと一日と半日。

迷いを拭い去る、そんな日記であるよう願いマルメロは空を見上げました。

この日記がマルメロにとって、忘れる事のできない傷と喜びを与えるものになるとは知らず。

マルメロの運命を大きく左右させる。

そんな日記を抱きしめ、マルメロはプチ・ガーデンへ向かうのでした。

母親マートルの過去の扉を開きに。



【第3章,完】
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