ペテン死のオーケストラ
「マルメロ様、無理しちゃ駄目ですよ?」

「平気よ。ちゃんとお母様ともお別れができたんだから」

「そうですか。なら、いいのですが…。もし、何かあれば俺に言って下さいよ」

「ええ。分かったわ。ストケシア、ありがとう」


マルメロはストケシアを信用しています。
この城では、ストケシア以外は信用してはいけない事も理解しています。

マルメロにとって、産まれて初めて出来た本当の友人です。

マルメロは言いました。

「ストケシア、もし私が居なくなったらどう思う?」

「そんな悲しい事を考えたくないです。マルメロ様には、ずっと居てほしいですから」


ストケシアの言葉を聞いたマルメロは思いました。

「お母さんも、こんな気分だったのかな?」


言葉のないマルメロをストケシアが心配します。

「マルメロ様、本当に大丈夫ですか?」

マルメロはハッとして答えます。

「あ、ごめんなさい。大丈夫よ」

ストケシアは怪しんだ顔。

「本当の本当に大丈夫ですか?」

「本当よ。私は大丈夫。」

「嘘っぽいです。俺に言って下さい」

「本当に平気だってば」

「マルメロ様、俺じゃ力不足ですか?」

「そんな事ないわよ。ストケシアが居てくれて助かってるわ」

「本当ですか?」

「本当よ」

「本当の本当ですか?」

「ストケシア、しつこいわよ」


マルメロとストケシアは、いつものように会話を楽しみます。

一時の安らぎ。

テラスから出たら、戦場なのです。

マルメロは、城を見上げ思います。

「この城は、憎悪と嫉妬で出来ているわ」

立派な城を見て、マルメロは思いました。
< 167 / 205 >

この作品をシェア

pagetop