ペテン死のオーケストラ
一人になったマルメロは、苛立ちに支配されています。

「どこまでも、どこまでも!サイネリアは一体何がしたいのよ!?」


部屋の中をぐるぐる歩き周りながら考えます。

「謝るって、何を謝るの?」

「私が悪いみたいに言うなんて、最低よ」

「サイネリアが私を嫌ったから、こうなったんでしょう?」

ぐるぐると歩いていると、徐々に落ち着きを取り戻します。

「最後の最後まで、苛立ちやすい性格は直らなかったな」

マルメロは思いました。

いつも、サイネリアと会うと苛立ちを感じていた自分。

似ているからこそ、苛立つのです。

それを認めてあげられなかった自分を反省しました。

しかし、どうしても腑に落ちない事があります。

「なんで、マルメロが悪いってなるのかしら」

幼い頃から、ずっと言われてきた悪口。

マルメロが何かをしたから悪い、のではなく、マルメロだから悪い、なのです。

見た目かと思いましたが、違いました。

「性格?でも、喋った事のない人にも悪口は言われたわ」

見たことも聞いたこともない人からも悪口を受けるのです。

マルメロは何もしていないのに。

「駄目だわ。これだけは謎ね…」

マルメロは考えるのを止めます。

「それよりも、私の夢について考えたほうが楽しいわ」

マルメロは一人、色々な事を考えました。

「私どうなるのかしら?」

マルメロはぼんやり考え、少し怖くなるのです。

「まだ、死にたくないな…」

ボソッと呟きました。


しかし、マルメロの運命は激しさを増すのです。
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