ペテン死のオーケストラ
マルメロは17才の誕生日を迎えていました。

ハンノキがマルメロに聞きます。

「マルメロよ、何がほしい?」

マルメロはハンノキを睨み答えます。

「子供が欲しいですわ」

マルメロは、まだ子供を宿せてなかったのです。

しかも、サイネリアから『無事に男子が生まれました』と手紙が届きました。

マルメロは最悪の気分でした。
そんなマルメロにハンノキが話しかけます。

「マルメロよ、何故そんなに子供を欲しがるのだ?」

「母親になりたいからです」

「本当か?ワシには、何かと競っているようにしか見えんがな。焦る必要はない。まだ17だぞ?人生は焦らずにいくことが大切だ」

「ハンノキ様は、のんびりしすぎです。それに、何も競ってなんかいません!」

「がははは!可愛らしい奴だ。サイネリアだな?」

マルメロは顔が引き攣りました。
そんなマルメロを見て、更にハンノキは笑います。

「嫌な事は、忘れろ!執着するから余計に苛立つのだ。マルメロよ、笑っていれば良いのだよ」

「はぁ。それはハンノキ様の考えであって私とは違いますわ。私は、そんな甘い考えはしません」

「マルメロは可愛らしい奴だな!がははは!」

マルメロは、ハンノキに子供扱いされていることに苛立ちます。
ハンノキを無視して、マルメロは部屋から出ました。

「プチ・ガーデンに行こう」

苛立ちや不安感が強い時は、いつもプチ・ガーデンに行きます。
マルメロは、馬車に飛び乗りました。
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