キズだらけのぼくらは


ご飯粒は喉に詰まって苦しくて、顔は恥ずかしい思いで火が出るくらい熱くなる。

「人の弁当見ないでよ。はっ、恥ずかしいんだからっ……」

こんな小学生でも恥ずかしがるようなリンゴ、イヤなのにっ……。

他人に見られるなんて死ぬほど恥ずかしくて、箸を折れそうなくらい強く握りしめる。

私は彼女にくるりと背を向けた。

まったく、お母さんのせいなんだからっ。

「かわいくていいじゃん。いいお母さんだね。私なんてこんなんだよぉ」

うしろで彼女のおどけたような声がする。

そんな声に、私は首だけを向けると、彼女は歪な石ころのようなご飯の塊をふたつだけ掲げていた。

私は一瞬、これはなにかと考える。

本当は考えるまでもないのに、その塊には思わず考えさせられた。

「おにぎり……?」

それはお世辞にも決して綺麗とは言えない、おにぎりだった……。

そして彼女は、頬を赤く染めて恥ずかしがりながら、こう言ったの。


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