キズだらけのぼくらは


そして、従う者が権力のある者より抜きんでてしまったとき、その人は弾かれる……。

「あっ……、アキ、おはよう」

するとその時、控え目で優しげな声がした。

4人の女子の隙間から割って入るひとりの女の子。

焦げ茶色のロングの髪を左耳の下で緩く結んでいる。

また、ゆったりとしたベージュのベストやピンクのリストバンドなどで、制服をオシャレに着崩していた。

秋穂のように化粧はしていないけれど、目がぱっちりとしていて、秋穂よりも可愛らしい子だ。

でも、秋穂たちは彼女の挨拶を無視して5人で笑い合っている。

「今日さ、放課後、カラオケ行こ。今日はいっぱい歌っちゃうよ!」

「いいね、行こ行こ!」

蚊帳の外にされている彼女は、リストバンドをしている左の手首を握りながら、もう一度勇気を出したように声をかけた。

「ねぇ、アキ……。私もたまには一緒にいい?」

彼女がそう言うと、秋穂はやっと彼女の方を向いた。


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