キズだらけのぼくらは


海夏は、もう二度と歩けない……。

くるくるとよく動き回っていた俺の妹が、もうあんな風には歩けないというんだ。

とても信じられなかった。

俺は、海夏しかいない個室の戸に手をかけると少しだけ開けた。

だけど、白いベッドに横たわる女の子は、海夏じゃないみたいだった。

白い布団の下にある二本の足は綺麗に揃えられていることがみてとれて、顔は少しも笑ってはいなかった。

瞳は暗くて、なにを見るわけでもなく瞼だけ持ち上げていて。

海夏らしさが……消えていた。

俺はその場から逃げだした。

全部全部、自分のせいだと思った。

あの時俺が呼びとめていなかったら、海夏は走りきっていてあんな事故にあうこともなかったんじゃないかって。

俺の手がもっとちゃんと海夏の手を掴んでいたら……、俺と海夏が逆になれていたら……って。

考えても考えても、そんな後悔ばかり。

けれど、いくら考えたところで、時間は巻き戻らないのだ。


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