キズだらけのぼくらは
だけど私はしがみつくように、窓に手を貼り付け続ける。
だって、このチャンスを逃したら、海夏ちゃんは一生出られなくなるかもしれない。
閉じこもった殻はどんどん分厚くなって、破れなくなる。
そうなったら、自分の心をいじめるだけになる。
「きっと、新月が願いを叶えてくれるわけじゃない。でも、新月になる一瞬の間に願える強い望みなら、自分で前に進む力をもう、海夏ちゃんは持ってるんだよ」
力のこもった手が窓を揺らす。
私の胸はいっぱいで、胸がどんどん締め付けられる。
頬には堪え切れない涙が、つうっと伝っていって、地面で大きくはじけ散った。
すると、突然背後で声が張りあげられた。
「海夏、俺のことはいくら恨んでもいい。だけど、もう出てきてくれ。自分のためにも、母さんのためにも」
アイツの声に空気までもが震える。
でも、踏ん張って立っているアイツは、目を逸らさずにカーテンの向こうの海夏ちゃんだけを強い瞳で見つめている。