優しい爪先立ちのしかた
小さな命がそこにあった。
ドキリとした栄生は、何故かその写真に手を伸ばすことが出来なかった。
「可愛い」
「ですよね。毎日が楽しいです」
尾形はもう氷室で働いてはいない。一般職に就いている彼が葬式に出たということは、聖が呼んだのだろうか。
「彼、今の?」
梢の去った方を見て、尾形は言う。
栄生は座ったまま、同じようにその方向を見た。
「うん。あとはね、来世で恋人になるひと」
「栄生さんと?」
「そうだけど、なんか不思議?」
いえ、と首を振る。
雪の眩しさに目を細めてから、ゆっくりと目を閉じた。
「良いでしょう?」
それから得意げに子供のように笑った。