lie ダウンロード   ~序章~

「逃げ出した!!」

ガガガガガッ!!
ガガガガガッ!!

「ハッ!?」

・・・またあの夢か。俺は、板垣だるま。23歳。引きこもりニート。

「・・・もう昼か。」

俺はベッドから起きて、窓から外を覗いた。
俺の部屋・・・。古びた雑誌やカップラーメンの空が床に転がっている。すみっこにある小さい液晶テレビ。
しわくちゃで汚いベッド。そのベッドの枕もとに、ノートパソコンが置かれてる。
どうやら寝落ちしてたみたいだ。

「ハァ・・・」

俺はもう、生きる気力を失っていた。18年前の、あの事件で。



          ~~~~~~~~~~


「・・・えっ。」

『逃げ出した』の一言で、ナナが消えてしまった。
一瞬、何が起きているのか分からなかった。
でも、すぐに分かった。

「最低だ・・・。俺。」

「だるまくん。どうしたんですか。」

・・・リアか。リアは、とても優しい口調でいつも話しかけてくれる。人の気持ちを考えていえるヤツだ。

「ナナが・・・消えた?・・・」

リアも一瞬戸惑った。

「だるまくん。今すぐ先生に言いましょう!」

コクッ。と、俺は浅くうなずいた。
最初、先生は信じてくれなかった。
だが、先生は園内に放送をしたり、園児にも聞いたりした。
・・・でも、無駄だった。
ナナは見つからなかった。
家族に電話しても、地域に協力を頼んでも、見つからなかった。

そして、ナナは、皆の記憶から消えた。多分覚えているのは、今も数人しかいないと思う。
俺は、日常を失った。また、つまらない世界での生活だと思うと・・・。
そして、俺は生きる気力を失った。全て。


          ~~~~~~~~~~


そして、今に至る。
本当につまんない。遊び相手も、リアぐらいしかいない。

「・・・最悪だ。」

目覚めが悪かった。
俺は気分を良くしようと思い、テレビをつけた。




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