「俺様くん、プリン買ってきました!!」
それからと言うものの。

いちいち「オレンジの皮!めんど!」とか「ラズベリーってこんな味だっけ?」とか。「キウイの種的なのが歯に!」とか。何か食べさせても減らない口には俺も吃驚だ。

まぁ、とにかく。

「このプリンは全て俺様のものだ。手を出したら容赦なく叩きのめす」

「…わかってますぅー」

少し拗ねたような顔をしたからさくらんぼを与えた。一瞬で元に戻った。


困る。困る。

こいつがコロコロ表情変えるから。色々と、困る。


「メロンいただきぃ!」


ムカつく。こんなやつに、心臓を握られた感じが。

だから…


「鼻、クリーム付いてる」

急いで食べるからそんなとこつくんだよ、餓鬼か。

そう思いつつ、鼻に付いてる生クリームを人差し指でとってやった。

「あ、ありがとう…」
少し照れくさそうに笑った。

「どういたしまして」 

そして、指に付いたクリームをペロっとなめた。


案の定、顔をみるみる真っ赤にさせて、金魚のように口をパクパクさせている。

「ななななななな、なに、を」


「甘かった」

「!!」

仕返し。してやったりー。 
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