「俺様くん、プリン買ってきました!!」
「焼そば二つ!」


そう、私は海の家にいる。

桃様に誘われたが、「すいません、家の手伝いが(泣)」と渋々断った。


毎年、家の道場は夏になると海の家を開く。あまりの客の多さに人手が足りないので、こうして手伝っている。

かれこれ2年くらい。もちろんお金も貰える。休みと引き替えに…。


「ひぃちゃんかき氷の方行ってくれるかな?」


あのクソ親父を差し置いて、家の大黒柱とも言える葵くんがさわやかな汗を流しながら言った。


「ま、まぶしい…」

笑顔がまぶしい!さすが家のアイドル!

「まぶしい?」

ハッ!私としたことがついつい口に。


「かき氷、ね。オーケーオーケー。氷の達人ひよちゃんに任せな」


「太鼓の達人みたいに言うね。うん、よろしく。仁さんより役に立つなぁ」




「お父さんには秘密にしておきます」



葵くんは本当は爽やか系じゃないのでは?本当はSなんじゃないのかえ?
< 161 / 240 >

この作品をシェア

pagetop