恋のリハビリをあなたと
「それにしても、幸せそうにしやがって。あの図々しいのに鈍感なところが、好きだけど、ちょっと憎かったんだよなー」


「それは、私も良くわかる。でも、あの笑顔には癒されるから、負の感情なんて、打ち消されちゃうんだけどね」


2人で昔話をたくさんした。


小学生の頃の話、中学生の頃の話、私たちが共に過ごした時間を、初めて振り返った。


あー、もう大丈夫、私も前に進もう。


先輩たちが席に戻ってきた所で、私と弘樹は慌ててこの会話をやめた。


話が出来てよかった。


ずっと、すっと、曇天模様の私の心に、やっと、光が差し始めた気がした。
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