恋のリハビリをあなたと
一週間は慌しく……どころか、怒涛の様に過ぎていった。


慣れているようで、慣れない仕事ばかりで、毎日困惑。


基本的なことは、施設と変わらないけど、まず、相手が全然違うのだ。


今までは、高齢者ばかり、しかも、認知症の入所者ばかり。


けれど、ここ病院は違う。


確かに高齢者が圧倒的に多いけど、年齢層もバラバラで、対応の仕方が全然違う。


出来ないこと、出来ることもひとりひとり大きく違ってくる。


今までの自分がどれだけダメだったか分かった。


入所者さん個人にちゃんと向き合えてなかったのかもしれない。


認知症って一括りにして、問題が起こっても悪いのは私じゃないって逃げてた。


気づいたからには、これからは今までみたいに逃げちゃいけない。


私の言葉一つ一つに、責任が存在する。


仕事が変わって色んなことを考えた一週間、身体的というよりも、精神的な疲れの方がひどかった。


ご飯も食べる気力もないくらい疲れた体は、欲望に忠実で、毎日、帰ると同時に、ベッドへと倒れこんだ。


そして、早朝にハッと起きて、慌ててシャワーを浴びて、ご飯を食べて出勤。そんな、日が続いていた。

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