ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─
第一章

両親と管理人さんの手違いで…

私は今、空港に居る。…外国に行くお母さん達の、見送りに来てるんだ…。

「じゃあ、もう時間だから、お母さん達行くわね?後、何度も言うけど…優花、体に気を付けるのよ」

「分かった、分かった!」

私が、1人暮らしをすると決まった時から毎日何回も言われてる事を、空港でも言われる。

「そして、夜道は1人で歩かない。…ご飯も、栄養を考えて作って…」

痺れを切らしたお父さんが、お母さんの服を軽く引っ張る。

「おい、母さんもう、行くぞ。……優花、じゃあな!気を付けれよ」

「うん!行ってらっしゃい!」

「あぁ、行って来ます」

「行って来るわね…」

お母さん達が、飛行機に乗ろうとしたら、お父さんが、急に止まって私の方に戻ってきた。

「あっ、優花。これ、…お前が、住む家の場所の地図だ。ちゃんと、地図を見て行けよ」

お父さんが、ポケットからしわくちゃの白い紙を私に握らせる。

「うん。分かった」

お父さんは、笑顔で私の頭を優しく撫でてから飛行機に乗っていった。

「ちゃんと学校行くのよー!」

私は、大きく頷く。お母さんは、最後の最後まで私を心配して飛行機に乗った。

「行ってらっしゃーい!!!!」

私は、出来るだけ大きな声を出して、お母さん達に手を振る。

お母さん達は、飛行機の中から私に手を振って、飛行機は飛んだ。

お母さん達は外国に行った。

私の頬に、涙が伝う。……確かに、憧れの1人暮らしが出来るけど、やっぱり、お母さん達とは離れたくなかった……。

「………外国に行けば良かった………」

って、後悔しても遅いわけで……。

「よし、じゃあ後はもう、この場所に行くだけか…」

私は、お父さんに渡されたしわくちゃの白い紙を開いて見る。

「歩いて、30分位の場所にあるのか……」

よし!初めての1人暮らし!頑張ろう!

と、思ってたのに……。

私は自分が住む家の場所に着いて唖然とする。

………えっ?……こんなに大きいの……?1人暮らしにしては、広すぎるよね……?

広い庭に、綺麗な白がベースの広くて大きな家。窓は大きくて、綺麗なのが複数。
門の近くに赤い屋根の大きな小屋と、白い大きな犬がいる。

「……………」

私、地図の場所間違えたのかな……?地図を、もう一度見直す。

「……何度見ても、ココだ……」

えっ……?こんな大金、お父さん達どこにあったの?!

私が、家の前でウロウロしていると……。
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