ルームシェア ─個性豊かな男達に求められて─

だって約束したでしょ?…一緒に寝るって…

今、私達(玲好君、玲愛君、叶君)は、私の部屋でトランプゲーム中。

「……………」

「じゃあ、これ…」

「あー、ダメ!ダメ!」

玲愛君が、玲好君のトランプ一枚を引こうとしたら、玲好君が取られまいと力強くトランプに力をいれる。

「ちょっと、玲好。進まないんだけど!早く、引かれてよ!」

叶君が、玲好君に怒鳴る。玲好君は、静かに返事をした。

「………はい」

玲愛君が、玲好君のトランプを引いて二枚捨てる。玲愛君の手持ちは、もう何もない。

「……あがり」

玲愛君が、一抜けする。……これで、玲愛君が一抜けしたのは七回目。私は、まだ一回も一抜け出来てない。

確か、十回戦ってる。その七回は、玲愛君。後の三回は、叶君。私と玲好君は、まだ0。

「本当に強いね……。玲愛は……。あがり」

叶君が、私のトランプを一枚引いて二抜けする。

「叶君も、充分強いよ……。あがり……」

私の手持ちは、一枚で、玲好君が引いて0になる。

「優花さんも、強いよ……」

玲好君は、涙声でババを出した。因みに玲好君は、殆どビリで負けていた。

「つっ……強くないよ……」

アハハと、私は苦笑いする。玲好君は、ババを手に持ち、溜め息を吐いた。

「玲好は顔に、出来過ぎなんだよ…。そりゃ、弱いよ」

玲愛君が、微笑する。

「うぅ………」

「もう一回、トランプする?」

「もう良いです……。違うゲームしようよ。王様ゲームみたいな!」

「「却下」」

玲愛君と叶君の声が、ハモる。

「えー……」

玲好君が、不満声を出してる途中で部屋のドアが開いた。

「もう、遅いから寝なよー」

愛希さんが、目を擦りながら壁時計を指差した。そして、愛希さんは「早く寝なよー」と、もう一度言うと出て行った。

私達は、部屋の壁時計を見上げる。………もう、11時を過ぎていた。

「うわっ!もう、こんな時間?!」

玲好君が、若干慌てながらバラついたトランプを片付けた。

「はい、叶のトランプ!ありがとう!お邪魔しましたー」

玲好君は、叶君にトランプを渡して。それだけを言うと私の部屋から出て行った。

「お邪魔しました」

玲愛君は、軽く頭下げて私の部屋から出て行く。

「「……………」」

あっ、あれ?なんで、叶君出て行かないの?

「叶君?行かないの?」

「ん?だって、今日約束したでしょ?…一緒に寝るって…」

「……あれ、本当だったの?」

「当たり前じゃん。僕が、冗談言うとでも、思った?」

叶君が、トランプを机に優しくそっと置いた。

「………まぁ」

「そう、どうでも良いけど。ほら、早くベットに入ってよ。僕、寝れないじゃん…」

ほらほら、と叶君がベットに私の事を軽く押す。ドサッと、ベットの上に体制を崩した私。

「バカ…。大丈夫?」

叶君は、私に手を差し出す。私は、叶君の手を掴んで立ち上がる。

「ぅん、大丈夫、大丈…」

私が立ち上がると叶君が急に私の事を抱き締める。私は、少しの間頭が真っ白になる。

「バーカ、バーカ…。アーホ、アーホ…」

「そっ、そこまで言わなくても…。って、叶君離してっ……」

私は、叶君から離れようとする。でも、すればするほど、抜け出せなくなった。

「いーやーだーもーんーねー」

「ど、したら…。離してくれる…の?」

「優花から、キスしたら良いよ」

「なっ………!」

私の顔は、赤くなった。でも、叶君はそんなこと知らん顔で意地悪く笑った。
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