水面(みなも)の月

〜母〜衝撃

息子に言われた一言。自分の顔から、さっと血の気が引くのがわかった。







私の…ただひとつの秘密。



「その女の子、何て名前?知ってるかも知れない。」
平静を装い、聞いた。


「堀川珠姫」





聞き間違えであって欲しいと、強く思った。





が、そんなに都合良く行くはずがない。何度聞いても、同じ。



『堀川珠姫』



忘れられない、忘れてはいけない名前…。





ついに、恐れていたことが起こった。出逢ってしまったのだ。


< 29 / 88 >

この作品をシェア

pagetop