【完】愛し君へ、愛の口づけを


私は自分で自分の体がどんどん冷たくなっていくのを感じた。

かすかに、お兄ちゃんが私の頭を撫でるのを感じる。






そして、
私の唇にお兄ちゃんの唇が当てられた。

大好きなお兄ちゃんからの口づけ。




・・・体の感覚も全て無くなってきてるけど、
お兄ちゃんの体温だけは感じる事ができる。



私の胸に刺さったはさみが
ゆっくりと抜かれていく。

自分でも血がどんどんあふれ出ていくのが分かった。


遠くなる意識の中
お兄ちゃんが私の手にはさみを握らせている事が分かり、
私は焦った。


一体何をするつもりなの。
・・・お兄ちゃん。



「・・・愛してる」


そう言うと、お兄ちゃんは私に持たせたはさみを思い切り自分に突き刺した。


私はどうにもする事ができなかった。

やめて、という事も
抵抗する事も。


「・・・永遠に、一緒だ」





私はこんな結末望んでなかった。


お兄ちゃんが生きて、幸せになってほしかった。
私の分も・・・。


だけど
ありがとう。




・・・私は永遠の愛をお兄ちゃんにもらう事が出来た。



今、世界一幸せなのはきっと私だ。



ずっとずっと
貴方の事を愛し続けます。

生まれ変わっても、ずっと・・・。












-end-





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