Secret Fetishism【SS集】
「ごめんね、書類……」

散々泣いていた彼女を更に啼かせた俺に、申し訳なさそうな声が届く。


「あぁ、イイよ。あれ、ボツになった企画のだから、別に元々いらないし」

しれっと吐いた俺に、彼女は一瞬だけ目を見開いて顔を真っ赤にした。


「もう、やだっ……!何でそんなに意地悪なの!?」


フルフルと体を震わせる彼女の瞳には、また涙が浮かんでいる。
それを見て楽しげに笑う俺に、彼女は益々真っ赤になった。


好きだからこそ、虐めたくなる男心。



イジワルは君にだけ――。





             END.


< 47 / 67 >

この作品をシェア

pagetop