Secret Fetishism【SS集】
「ねぇ、もっと……」


唇を離した直後に甘えるようにねだると、彼が意地悪さを孕んだ誘惑の笑みを浮かべた。


「もっと、何?」

「意地悪……しないで……」

「ちゃんと言って。そうすれば、言う通りにしてあげるよ?」


瞳の奥を妖艶に光らせる彼は、決して草食系男子なんかじゃない。
だけど、全てを奪う程の強さを持つ肉食獣にも似た瞳は、恋人(アタシ)だけの物。


「いつもみたいに、上手におねだりしてごらん?」


「お願い……。もう……我慢出来ないの……」


不埒なおねだりをしたあたしに、彼が妖艶に唇を上げた。



今は、この唇からの優しいキスなんていらない。



噛み付くように、奪って――。





             END.


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