sweet milk【完】

単純で優しい

素直でいとしい

私の、大好きな人。

私の口に

軽くパンを押し付けて

もう一枚取り出して焼く。


だって、夏なんだもん。

つき合ったのも、

初体験も、

別れたのも。


長い間苦しんで、

やっとうちあける事ができた

出来事が起こったのも。

全ては遠い夏の記憶。

私はパンを頬張りながら

小さな声でつぶやいた。

「なにもぐもぐ言ってんの?」

「別にー

・・・ねぇねぇ。私の事好き?」

「・・・・・・・・・言わねえ」

「焼きすぎ!」

「え?俺?」

「ううん。パン」


やべっという顔をした彼氏は

ニタニタにやける

私のおでこに

マジでデコピンした。

ひっどい!
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