ハートフル・アーツ
翌朝


「幸大…いい加減に起きたらどうだ?」


「ん…

なずなか…おはよう。」


「まったく…おはよう。

君は家に帰って学校に行く支度をするのだろう?

早く朝食を済ませるぞ。」


なずなが言う




居間

「お姉様、おはようございます。

食事の用意はできていますわ。」


「ああ、おはよう。

今日も美味しそうだな。」

なずなが言う



「あんたのも仕方なく用意してやったんだから感謝しなさいよ?」


「なずなとは随分と対応が違うな。」

幸大が言う


「当たり前でしょう?

あんたとお姉様が対等なんてあり得ないわよ。」

すみれが言う



「ああ…そうですか。」


「それより、君は右手が使えるのかい?」

なずなが言う


「…。

まぁ、多少痛みはあるけど食事くらいなら平気かな。」

幸大が右手を動かしながら言う




「おや…これは驚いた。もう起きても大丈夫なのかい?」

幸明がやって来た

「ああ…身体中が筋肉痛みたいだけどな。」


「誰…こいつ…」


すみれが不審者を見るような目で見る


「僕は彼の師匠さ。

君たちの父親、武神流当主に彼に武神流を教えるように頼まれてやって来たのさ。」


幸明が言う
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