ハートフル・アーツ

｢ここは？｣

幸大が言う


｢ここは…舞姫流の免許皆伝を受ける資格を得るために合格しなければならない場所。


『鳳雛の孵り場』｣

ツバメが言う


｢なぜ、私たちをこの場所に？｣

なずなが言う


｢なずなさん、すみれさんのお二人ではなく、こ…じゃなくて…小鷹さんの修行場です。｣

ツバメが言う

｢何でこいつが免許皆伝を!?｣

すみれが言う


｢べつに彼を免許皆伝とするわけではありません。


お二人は武術の基礎ができていますので通常通り舞姫流を教えます。｣

ツバメが言う


｢で…俺は？｣

｢武術の基礎…は形としては全くなっていません。

が…感覚と実力がかなり秀でてます。


達人級かと…。｣


｢俺が!?｣

幸大が驚く

｢ただ…武術家としては異質です。｣

ツバメが言う

｢異質ねぇ…ただの変人だと思うけど。｣

すみれが言う



｢ところでここではどの様な修行を？｣

なずなが言う


｢ここは見ての通り半径およそ２メートルの丸い窪地。


そして周りは傾斜が90°に近い山道。

高さは10メートル以上。


３分以内にあの頂上の大きな樹に辿り着くこと。｣



｢無理だろ…

２メートルもキツいって。｣


幸大が言う