ハートフル・アーツ
放課後


「さて…」

チャイムと同時に席を立つ


「Wait please!!」


ヴァージニアが幸大を呼び止める

「ん?」


「あなたのアドレスも教えて!」

ヴァージニアが携帯を構える


「悪いね、ジニーはクラス全員とアドレスを交換したいそうなんだ。」

クリストファーが言う


「俺は別にクラスメイトにカウントしなくて良いよ。

じゃあ、俺は用事があるから。」

「こんなキュートな美少女の誘いを断るとバチが当たるよ?」

ヴァージニアが言う

「はいはい。


そのうち気が向いたらな。」

幸大が二人を通りすぎようとする

「待て。」


ガシッ!

「いたたたた!!」

クリストファーが全握力を込めて幸大の肩を掴んだ


「また今度って言ってるだろ!」


スルッ…

幸大はクリストファーの手を軽く振りほどいて教室から立ち去った



「どうしたの、クリス?」

「…いや、何でもない。

(確かにしっかり掴んだままのはずだったが…)」

クリスは幸大の肩を掴んでいた手を見つめながら考える




「あ…さっきの…」



ヴァージニアが教室の窓から校門を見ると一緒に歩く幸大となずなを発見した


「ふーん…私よりあんなのがいいんだ。」

ヴァージニアが不機嫌な顔になる


「大和撫子…と言った感じだな。」

クリスが言う

「そう言えばさっきのボーイの名前は?」


「…さぁ?」

二人とも幸大の名すら知らなかった
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