12時の鐘が鳴る頃に…

「痛った…」

「あ、ご、ごめんなさい!…だ、だいじょ…」


うぶですか?と続くはずだった言葉が続かなかった。

だ、だって…パサッという音と共に、原口くんの近くに黒い物体が落ちて…

顔を上げた彼はレストランに居た彼と瓜二つだったから。


「は…原口、くん…?」

「そうですよ。一体、何…!?」


床に落ちている黒い物体に気付いた彼。

あれは、もしかしてカツラ?なんで?

はあ…と深いため息が聞こえてきた。

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