fairy tail
出逢い

マウル湖

この国には二つの敵対する国家が存在する。
フェルツ王国とレイゼル王国。

フェルツの王は私の兄にあたる。
私たちの両親はレイゼル家に殺されたため
29歳という若さで兄は王になった。

兄はレイゼル家を強く憎んでる。
特にレイゼル家の赤の王アレクサンダーには
いつか必ず復讐すると心に決めている。

赤の王と言われる理由だが本人が好き好んで
赤い服を身に纏っているだとか血に染まって服が
赤くなったとか云われている。

正直私は敵国の王になど全く興味がなく、赤の王の顔も知らないほどだった。
そんなこと兄に知れたら怒られてしまうけど・・・。


いつもの通り、私はファランと呼ばれる森の中に入って行く。
その深い深い森の中を歩き進めると、一箇所だけ直接陽の光が当たる湖に辿り着く。その湖は昼だと一筋の陽光が差し、まるで天使が舞い降りたような白い輝きを放つ。夜には月が水面に映って幻想的な雰囲気を醸し出す。それがマウル湖。ちょうどフェルツ王国とレイゼル王国の境目に位置する。
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