fairy tail

また一人・・・

程なくして兄の訃報が伝えられると、ウェルダ王の死体が城に運ばれた。

「兄上!!」ウェルダ王は左胸を一突きされていた。
「こんなひどい…」
私は慟哭した。
「兄上、目を覚まして下さい。昨日はあんなに元気だったじゃないですか。赤の王に負けないとおっしゃったじゃないですか、兄上…」

赤の王…よくも兄上を…。

後ろにいた護衛兵が重い口を開いた。
「アリア王女、逃げましょう。近いうちにこの国は、赤の王に支配されてしまいます。」

兄と育ったこの城から逃げる?
「嫌!そんなの絶対出来ない!」
「アリア王女!!」
「もう、私のことはほっといて!」
私は勢い良く城から飛び出した。

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