おいでよ、嘘つきさん。
さて、双子町は双子だらけと簡単に言いましたが、何故、双子しかいないと思いますか?


そんな、都合よく双子ばかり生まれるでしょうか。


もう、お分かりかもしれませんが、この町では口に出すのも恐ろしい悪習が残っているのです。


『双子以外は…。認めない。』


双子ではなくては、存在価値を認められない町。


不思議な面白い町なんかじゃありません。


この悪習…。


町の全員が知っていて、黙殺しています。


そうしなければ、町では生きて生きる事を許されないからです。


もし、町の外にもれたら?

当然、大問題になります。

だから、決して町から出ることは許されません。


トリトマだって、馬鹿ではありません。


しっかりと、この悪習に従っているフリをしています。


町の大半の人物も、トリトマと同じでしょう。


ただ、トリトマが人々と違うところは、この悪習にヘドが出るほど忌み嫌っていることです。


「犯罪者だらけの町になんか住みたくない。当然な考えだろ?」


トリトマの考えは正当です。


しかし、この町では決して口に出してはいけません。

口に出したら最後、悲惨な運命が待っているのですから。
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