狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「……――って、偉そうなこと言っちゃったけど……本当は、この間のお返し!!」
微妙な雰囲気を変えようとわざと明るくふるまう。
「この間……?」
「ほら、あの日。あたしが手袋を落としたって騒いだ日、狼谷君、あたしを家まで送ってくれたでしょ?」
「あぁ……そんなこともあったな」
「そんなこと……かぁ」
あたしにとってあの日の出来事はかなり濃い記憶として残っているのに、狼谷君にとっては違うみたい。
ショックだけど、仕方ない……。
「あたしね、本当はずっと狼谷君が怖かったの。保健室で狼谷君の手に絵を書いちゃったのがバレた時はあたしの人生もここまでか……って諦めたもん」
「お前、俺を何だと思ってんだよ」
「でもね、あたしもう狼谷君が怖くないの。こうやって一緒にしゃべるのも楽しい」
「本当に……怖くないのか?」
心からの気持ちを口にすると、狼谷君は意外そうにそう尋ねた。