狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】

「よくここまで下手くそな絵がかけたな。こんな下手くそな絵かく奴初めて見た」


「そ、そんなに下手……?」


「下手。最高に下手」


今、自分の目の前で笑っている男の子は本当にあの狼谷君なの?


校内1の不良だし、このあたりでは名の通っている彼。


今まで一度だって彼の笑顔を見たことはないし、無口な彼の声を聴いたのだって正直、今日が初めて。


あれれ?何だろう、この気持ち。


あたし……どうしちゃったんだろう。


あんなに恐れていた狼谷君があたしの描いた絵を見て笑っている。


ただそれだけのことなのに、どうしてこんなに胸が熱くなるんだろう。
< 18 / 410 >

この作品をシェア

pagetop