狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「……――ひぃっ!!」


その時、目の前にいた沙希が、突然、目の下をひきつらせて小さな悲鳴を漏らした。


「沙希?どうしたの?」


「お、お、お、お」


「え?」


「……お、お、狼谷君が……――」


必死に声を押し殺して言う沙希。



その言葉にふと後ろを振り返ると、教室の扉から顔を出してこちらを見つめる狼谷君に気が付いた。


バチッと目が合うと、狼谷君の目があやしく光った気がした。


ふぅん。狼谷君だ……。


ん?狼谷君……?


って、嘘!?


な、なんで!?

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