狼系不良彼氏とドキドキ恋愛【完】
「……――ごめん」
素直に認めて謝ると、星哉は髪をクシャクシャと雑にいじって息を吐いた。
「……桃華、お前……――」
呆れたような表情の中に入りまじる怒り。
星哉のことを攻めるような言い方をしておきながら自分はヒロちゃんとキスをした。
それを知った星哉がどう思うかなんて簡単に想像がつく。
あたし、ひどいよね。
自分のことを棚に置いて……。
星哉、ごめんね。
本当にごめん……。
あたし、最低だ……。
「ごめんっ……、あたし……ごめっ……」
ボロボロと嗚咽交じりに涙を流す。
こんな場面で泣くなんてズルいって分かってる。
だけど、自分の意思とは関係なく涙が流れ続ける。